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鳥取県の牛(とっとりのうし)

歴史 ▼畜産の現況 ▼特徴(味) ▼鳥取の銘柄牛

歴史

大山博労座牛馬市
大山博労座牛馬市

 役用牛時代/江戸期より、鳥取県(因幡国・伯耆国)は日本有数の牛の生産地だった。鳥取藩は、牛の飼育を奨励するため、牛の購入資金を貸し付ける「牛銀制度」を1695年より開始した。

 これにより、農家による役牛飼育数が増えるとともに、コメ収穫高の増量につながった。1730年には因伯2州の牛馬の売買交換市場として大山博労座(ばくろうざ)が開設された。明治期には年4回、毎回数千頭が取引され、日本三大市場のひとつと数えられるまでに発展した。博労座の隆盛は、中国地方諸国の牛馬の改良と共に、畜産の発展に寄与することとなった。

 因伯牛の改良/江戸中・後期より、中国地方の主要産地において、優良形質の維持・改良・固定が行われるようになり、特に優れた系統は「蔓牛(つるうし)」と呼ばれ、市場において高値で取引された。明治期から大正期にかけて、在来種(蔓牛)の欠点を改善するため、数種の外国産牛が輸入され、雑種交配による改良が行われた。

 役用牛から肉用牛時代へ/1920年、鳥取県は全国初の和牛の登録事業(和牛の戸籍管理)に着手した。血統を固定した和牛は「因伯牛」として全国に名声を高め、昭和初期には、九州・東北をはじめとする新しい産地に多くの種牛を供給した。鳥取県は和牛の“ふる里”ともいえる場所であった。

 肉用牛時代/昭和30年代、牛肉の消費拡大と農耕の機械化移行に伴い、役用牛から肉用牛への需要が高まった。そんな中1966年に開催された(和牛のオリンピックと称される)第1回全国和牛能力共進会において、県畜産試験場所有の「気高号」が1等賞の栄光を獲得した。「気高号」は全国の和牛改良の基礎となり、現在の他県の有名ブランドの多くの始祖牛となっている。現在その血統は、県畜産試験場のスーパー種雄牛「勝安波」に引き継がれている。

畜産の現況

以下、鳥取県の畜産の状況を記す。

・肉用牛の総飼養頭数(平成21年)
22,000頭(全国29位、0.8%)※和牛・乳牛・交雑牛含む
・肉用牛の農業産出額(平成19年)
約3,200百万円
・肉牛出荷頭数(平成19年)
10,425頭 内訳:県内出荷 7,047頭(67.6%)、県外出荷3,378頭(32.4%)
・和子牛せり平均価格(平成20年)
409千円
大山放牧場
大山放牧場
・鳥取県の公共牧場(注1)
鳥取放牧場(鳥取市) 119ha
河合谷牧場(鳥取市国府町) 107ha
俵原牧場(東伯郡三朝町) 60ha
兵円牧場(鳥取市河原町) 96ha
大山放牧場(西伯郡伯耆町) 105ha
・市(町)営放牧場
日南放牧場(日野郡日南町) 18ha
久住放牧場(日野郡日野町) 20ha
瓜菜沢放牧場(日野郡江府町) 31ha
大滝放牧場(西伯郡伯耆町)14.5ha
いかり原放牧場(鳥取市) 7.5ha(注1)財団法人鳥取県畜産振興協会が管理する公共放牧場

特徴(味)

鳥取和牛
鳥取和牛

 牛肉のおいしさを図る指標のひとつとして、オレイン酸の数値が挙げられる。 モノ不飽和脂肪酸(MUFA)の主成分であるオレイン酸は、和牛の旨みに関係しており、融点が16℃と低温のため、口溶けや和牛肉の香りなどに影響を与えることで知られている。

 県畜産試験場の研究により、鳥取系和牛に以下の特徴があることが分かっている。
・MUFA割合は去勢より雌が多い
・MUFA割合の遺伝率は0.51と高い(遺伝率1.0が100%)→種雄牛の役割が大きい
・交配された種雄牛間で最大8%の差が確認される
・「鳥取系」の血量が多いと、MUFA割合が高い傾向がある。

 これらを総合すると、鳥取系和牛は風味が高い傾向にある、といえる。鳥取県では、2010年度より専門家も入れた委員会組織「鳥取和牛おいしさ認定基準設定委員会」が発足し、オレイン酸を重視した現代人の食生活に合った鳥取和牛のブランド化がすすめられている。

鳥取の銘柄牛

鳥取の牛には以下の銘柄牛がある。
全県:鳥取県牛肉販売協議会
・鳥取和牛(オレイン55)
・鳥取和牛(黒毛和種)
・鳥取F1牛(交雑種、ホルスタイン×黒毛和種)
・鳥取牛(ホルスタイン種)
鳥取いなば農協
・因幡和牛(黒毛和種)
鳥取中央農協
・東伯和牛(黒毛和種)
・東伯牛(和牛以外の品種)
鳥取県畜産農協
・美歎牛(ホルスタイン種)
その他プライベートブランド
・万葉牛(黒毛和種)
・大山黒牛(黒毛和種)